多文化共生政策と行政のあり方
- Daisuke Mitarai
- 9月6日
- 読了時間: 2分
多文化共生政策の推進は未解決の課題を多く残したまま進行中であると考えます。そして現在の衝突の多くが行政権の行使(「二重効果的処分」)を原因としているように見受けられます。
私たちが考えるべきは、人口減を解消するための移民の受け入れや定住の推進という一方の期待だけでなく、その地域に以前から生活している住民の人々の文化(伝統や慣習、歴史を含む)の維持存続の思い・感情も考慮しての法と政策の展開であると思います。
今現在存在する地域社会を観察すると、そこで生活する住民は原住民とよそ者が混在していますが、「異形の者」はいません。皆が人間であることは事実です。そして、人間である以上、その人間が何らの宗教を信じない無宗教・無神論者であったとしても、宗教的要素をその周囲から完全排除できないことも事実です。
したがって、多文化共生政策と行政のあり方を研究するとき、宗教問題を題材にするのが合理的であると考えます。
この研究テーマの枠組み
研究テーマ「多文化共生政策と行政のあり方」は広範囲の問題を扱うことが可能ですが、私個人のもつ枠組みは次の分析対象の何かを必ず一つ以上含むもので、その研究の到達目標として「これからの行政のあり方」または「権利論の再構築につながるもの」であるものを選定します。
分析対象(キーワード)に求める要素
分析対象に求める要素は固定したものではありません。社会の変化を観察する中で追加したり、削除したりという流動的なものです。
宗教: 人間のライフプランにかかわる要素であること
処分: 一方にとってプラスの効果をもつが、他方にとってマイナスの効果をもつものであること
政策: 多文化共生政策に含まれる内容をもつこと
権利A: 既存の権利を根拠とする行動が存在すること
権利B: 「新しい人権」のように未成熟の権利を根拠とする行動が存在すること
この研究テーマの成果
現在までの主な成果については次のものがあります。
単著「「行政処分」の現代的意義に関する一考察 : 日出町土葬用墓地計画許可事案を題材として」『尚美学園大学総合政策論集』
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