勉強の質を高める方法として、1つ書き留めておくことにします。
おそらくというか、誰もが絶対に1度は「どうして勉強しなけれ
ばならないのか?」という疑問を持ったことがあると思います。私
も例外ではありません。私の場合、Y口大学附属中学校の入学試験
の最中に疑問が襲ってきて、(答案自体は済ませていたのですが)
呆然と窓の外を見続けていました。たぶん、その態度が不合格とい
う結果につながったのだと思います(いえ、実力不足でした(笑))。
本題に話を戻しておくと、教壇に立って受講生に教え始めてから
この疑問と向き合うことが役に立つかもしれないと考え調べてみた
ことがあります。私が知ったことは次の限りです。
まず、勉強しなければならない理由は1つではありません。主に
以下の理由があると言われています。
・競争心やプライドを満たすため=自尊志向
・生活に活かすため=実用志向
・賢くなるため=階級思考(先行研究では訓練志向)
・ご褒美のため=報酬志向
・楽しむため=満足思考(先行研究では充実思考)など
それぞれの理由とタイプの例を簡潔に紹介しておきます。自尊
志向とは相手に負けたくないという競争心が原動力となって、そ
の競争に勝つことが快感になるから勉強するのだろうという理屈
です。二月の勝者や全国何位といった現象が気になるならば、こ
の自尊志向を意識すると勉強の質を高められるかもしれません。
実用志向とは、自分の生活に役に立ったという実感が原動力と
なって勉強の質が高まるのだろうという理屈です。将来の夢を実
現するのに資格が必要であるとか、このスキルを習得すれば時給
がアップするといった現象が気になるならば、この実用志向を
意識して勉強すると良いかもしれません。但し、目先の利益だけ
を追うのではなく、将来的な利益も想定して取り組みましょう。
階級志向とは「俺ってやればできる奴w」という過去の自分と
現在の自分を比較して「できた!」という喜びが原動力となって
成長を自覚するから勉強の質が高まっていくという理屈です。
「努力が裏切ることもある」と項垂れるタイプほど「自分の努力
が足りなかったのだ」と再挑戦への切り替えが早いと私は感じる
と同時に、この志向をもつ人は非常に尊敬できます。失敗を自分
に原因があると背負うことって誰もができるものではないので。
報酬志向とは「ご褒美」が原動力となって勉強に励めるのだと
いう理屈です。別の言い方をすれば、ニンジン作戦(笑)。但し、
ご褒美を与える基準を少し高めに設定することがポイントです。
例えば「単位認定試験を終えたらスイーツを食べる」というのは
あまり良くない目標設定だろうと私は考えます。せめて「全部の
試験を遅刻せずに受験して自分としてはやりきった感満載の答案
を提出できたらスイーツを食べる」ぐらいは掲げて欲しい…。
満足思考とは別名、変人志向(と、この記事を書いていて命名
しました)。「このアイデア、面白い」「こうしてみると点数が
でちゃうんじゃないの!?」などという風に、学び(勉強)自体
を遊び化してしまうから勉強の質が向上するという理屈です。
そういえば、『ズッコケ三人組』の著者である那須正幹氏の自宅
に色紙を携えてサインをもらいに行ったとき、色紙に書かれたの
が「遊びは勉強、勉強は遊び」でした。
以上、長々と書いてしまいましたが、どれか意識してみようと
いう志向はありましたか。皆さん、騙(だま)されたと思って
やってみてください。
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