ある雑誌記事を読んでいてふと目に入ったことです。その記事によれば、
2000年時点で1万3千人のビジネスパーソンを対象にしたアンケート調査で
「過去1カ月に仕事に関する学びをしましたか?」という質問にたいして、
「学びをした」と答えた人の割合が17%だったそうです。つまり、実に
83%の社会人が社会人になって「学ぶことをしていない」と捉えられるの
ではないでしょうか。
まだ大学生であって社会人でないから大丈夫だとか、社会人になったら
できるので心配ないだとかと、ふと思った人は多分一生涯「学ぶこと」が
できないと私は推測します。なぜなら、日ごろから練習していない人間が
いざ本番で急に出来るようになることは、めったにないことだからです。
たとえば、期末試験前に講義の内容を聞き直して理解できた(と思ってい
ても)いざ答案を作成しようとして予想外にできないものです。この例か
ら明らかなように、日ごろからの練習がモノを言う世界というか、人間は
コンピュータでない為、データをインプットしただけでは上手く遂行でき
ない生き物であるため本番で急に出来るようになることはないと言えます。
では、どうすれば良いかです。シンプルに言えば、それがタイトルの
通り「学ぶ習慣をつけよう」ということになります。学ぶということは、
1.(自分が自覚していない知識も含めて)情報を知る=インプットし、
2.情報の利用方法を学修=インプットし、
3.自分の手や口を使って整理して発信する=アウトプットする
という一連の動作を繰り返し行なうことです。これが予習(1.)、
授業(2.)、復習(3.)に該当することは言うまでもありません。
どこかで私が難しい事を要求していると嘯いている先生がいらっしゃるそ
うですが、小学校の頃から日本では通常指導を受けて自然と学修している
常識だったと思います。私が昭和な人だからかもしれませんが(笑)
ちなみに、2023年秋学期に受講生に対してアンケートをとったところ
からですが、10月段階と12月段階のたった3か月の短い間で、学ぶ習慣に
ついて意識づけができた受講生は微増したようです。1日の学習時間が
2時間未満になった学生の割合が増加していることを見て取れる一方、
1時間未満だった学生の割合は減少しています(下表参照)。
凡その目安ですが、一般に予習段階では、指定の教科書なり資料を読む
だけで1時間未満は経過しますし、復習段階では学修した内容を書き出す
作業が発生しますから、慣れない間は、同じく1時間程度の時間が必要に
なると思います。
そうすると、1日3コマ程度を履修すると、学修時間として6時間程度は
必要になる計算ですから、キャンパス内に居る時間や移動時間を有効活用
する工夫や、安定した一日のリズムを維持する工夫が必要になりますね。
さて、それでは次のことを試しにやってみましょう。
一、一日の時間割=タイムスケジュールを1時間刻みで作成して下さい
二、起床時間を一律にして下さい。
三、週毎に必ず繰り返す動作=イベントを決めて実行して下さい。
以上の3点について、できなかった場合は修正を加えて再度挑戦すること
です。それでもできなければ、目標が高すぎるのかもしれません。ぜひ
相談にいらしてください。いつでも歓迎します。
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