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Daisuke Mitarai

優(A)を獲るために

 唐突ですが、「勉強が苦手でも成長できる人」「賢くないのに

成績が良い人」は、どこが自分と違うからなのだと思いますか?


*****

 成績開示を受けた後に時々「A君と一緒に勉強していたのに、

なぜ同じ評価にならないのですか?」「Bさんは授業で先生の

質問にまったく答えられていなかったのに、どうして私の評価と

比べて評価が高いのですか?」など質問を受けることがあります。


 実は、これらの質問をする時点で成績評価の確認の仕方をミス

しています。成績評価は、他の受講生と比べて評価をしているの

ではないからです。大まかに言えば、一人ひとりの<取り組み>

と<講義の目標>とからおこなっています。


 もちろん、私も人間ですので単純な計算ミスや入力ミスをして

しまうことがないわけではありません。そして、それを成績照会

をつうじて問い合わせてくる受講生さんもいらっしゃいます。が、

これらの受講生から上記のような質問を受けることがありません。


 ここには成長できる人と成長できない人の違いがあるように

思います。


*****

 まず一般に知られている点として「無知の知(不知の自覚)」

があります。


 ソクラテスのエピソードなのですが、彼は賢い人たちを訪ねて

話を聞いて次の2つの事実に気づきました。(1)自分に知恵がある

と思っている人に必ずしも知恵があるわけではないという事実。

また、(2)自分には知らないことがあると自覚している人は、

自分に知恵があると思っている人と比べて知恵があるという事実。

つまり、自分には知恵がないと自覚した人が最も知恵のある人だ

ということ。


 私的に解釈を施すとすれば、「知らない」「分からない」と

言えるのは「知ろう」とし「調べよう」とした結果だからだろう

からです。年配の方が謙虚で居なさいと言葉を掛けてくださる事

も実は同じことを伝えたいからなのかもしれません。


*****

 次に「粘り強さ」です。


 教員にまとわりつけって言っているのではありません(笑)。

やり抜くことが実は「無知の知」を修得できる方法だからです。


 そもそも「学問」という言葉は<学>んだ後に<問>うこと

の繰り返しを表しています。言い換えれば終わりはないのです。

ゴールは(目の前には)ない。けれども走り続けられますか?と

いうのが「学問」と真摯に向き合うと感じてくるはずです。


*****

 最後に「弱点を知り、補おうとすること」です。


 自分の欠点を知るということは、その欠点を補えれば無敵の

自分が現れるということ。もちろん、実際には必ずしも上手くい

くことばかりではありません。


 しかしながら、欠点の部分=自信がない部分を知っている人は

そこへ触れた際に他人と比べて集中し、より多くの努力をします。

ちなみに、個人的な経験から申し添えておくと、自信のない人の

方が現状を正確に把握し(努力をすれば)高い成績を獲得する

傾向があります。



 以上、3点ほど今回はお伝えしました。成績の照会や人事考課の

照会などに臨む場合に意識してみてはいかがでしょうか。

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