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Daisuke Mitarai

実社会で役に立つ「賢さ」とは何か?

更新日:2022年7月4日

 ある先生の御指摘です。それは「学歴的優秀さ」と「職業的優秀さ」は

違うということ。そして、高学歴の人の中で社会に出たときに、学歴的優

秀さから「職業的優秀さ」への切り替えがスムーズにできず挫折する人も

いるとのことです。要するに、高学歴の人にも盲点があるってことです。


 では、凡人である私たちはどうすれば良いのでしょうか。私は、先回り

して「職業的優秀さ」を大学生のうちにマスターしてしまえば良いのでは

ないかと考えます。



 では、「職業的優秀さ」をマスターするにはどうすれば良いのでしょう?

職業的優秀さを身に付けるために必要なスキルは少なくとも2つあります。

1つは【直観的判断力】で、もう1つは【知恵の習得力】です。難しそう

に思いますよね?しかし、実は大学でおこなわれる講義の中で実践する筈

のスキルです。



 まず、直観的判断力について。簡単に言うと、直観的判断力とは臨機応

変な判断をおこなえる能力ということです。例えば、私の講義では、自分

が質疑応答の相手として指名されなかった場合に「自分だったらどう答え

るか」を考えながら視聴しようと伝えています。これは同じ受講生の答え

を観察する中で「上手だな(=臨機応変に対応しているな)」と感じたら

それを真似(まね)すればよいですし、「あいつ、ババ引いてんなぁ

(=可哀(かわい)そうやな)」と感じたら、どうすれば良いのだろうと

考えて同じミスを自分がしないようにすればよいのです。これって、直観

的判断力を鍛えていると言えませんか?


 次に、知恵の習得力について。こちらは、失敗から何を学んだかを整理

する能力のことです。実は賢い(って周囲から思われている)人って意外

と臆病なのです。失敗を恐れていると言ってよいかもしれません。だから、

テストで予想外の低い点数をとったり、自分の答えを完全否定されたりし

た場合に、すぐキレる賢い人がいるのです。そして、知恵の習得力がない

人は「他人のせい(原因)にする」ので成長がない。結局、予想外に低い

点数をとったのも自分のおこなったことですし、答えを完全否定されたの

も自分の組み立てが悪かったからです(ウ、自分の講義の組み立ては大丈

夫か…は、さておき)。


 では、どうすれば知恵の習得力をマスターできるのでしょう? それは、

失敗したときに、その責任を自分で負う(=失敗と向き合う)ことです。

そうした人は、そうしない人に比べて当然に失敗から学べる確立が当然に

高くなります。自分の責任であると考えて今後の改善策・対策を立てて、

再チャレンジするってことが、凡人である私たちの<やるべきこと>だと

いうことですね。そして、これも大学でおこなわれる講義の中で実践して

いる筈です。



 さて、皆さんが大学で今、学んでいる全ての講座は、言ってみれば

実社会で役に立つ「賢さ」をトレーニングするものなのだと私は考えます。

学歴的優秀さを否定するわけではありませんが、それと直観的判断力・

知恵の習得力は完全にリンクするわけでもないと、私はそう感じます。


=====

 例えば、合計110円のコーヒーとビスケットがあるとします。コーヒー

はビスケットより100円高いです。では、ビスケットの値段は何円ですか?

=====


 10円でしょうか。違います。ビスケットの値段は5円です。前者の失敗を

してしまうのが「学歴的優秀さ」をもつ人であり、後者の成功を得るのが

「職業的優秀さ」をもつ人なのではないでしょうか。

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