ある先生の御指摘です。それは「学歴的優秀さ」と「職業的優秀さ」は
違うということ。そして、高学歴の人の中で社会に出たときに、学歴的優
秀さから「職業的優秀さ」への切り替えがスムーズにできず挫折する人も
いるとのことです。要するに、高学歴の人にも盲点があるってことです。
では、凡人である私たちはどうすれば良いのでしょうか。私は、先回り
して「職業的優秀さ」を大学生のうちにマスターしてしまえば良いのでは
ないかと考えます。
では、「職業的優秀さ」をマスターするにはどうすれば良いのでしょう?
職業的優秀さを身に付けるために必要なスキルは少なくとも2つあります。
1つは【直観的判断力】で、もう1つは【知恵の習得力】です。難しそう
に思いますよね?しかし、実は大学でおこなわれる講義の中で実践する筈
のスキルです。
まず、直観的判断力について。簡単に言うと、直観的判断力とは臨機応
変な判断をおこなえる能力ということです。例えば、私の講義では、自分
が質疑応答の相手として指名されなかった場合に「自分だったらどう答え
るか」を考えながら視聴しようと伝えています。これは同じ受講生の答え
を観察する中で「上手だな(=臨機応変に対応しているな)」と感じたら
それを真似(まね)すればよいですし、「あいつ、ババ引いてんなぁ
(=可哀(かわい)そうやな)」と感じたら、どうすれば良いのだろうと
考えて同じミスを自分がしないようにすればよいのです。これって、直観
的判断力を鍛えていると言えませんか?
次に、知恵の習得力について。こちらは、失敗から何を学んだかを整理
する能力のことです。実は賢い(って周囲から思われている)人って意外
と臆病なのです。失敗を恐れていると言ってよいかもしれません。だから、
テストで予想外の低い点数をとったり、自分の答えを完全否定されたりし
た場合に、すぐキレる賢い人がいるのです。そして、知恵の習得力がない
人は「他人のせい(原因)にする」ので成長がない。結局、予想外に低い
点数をとったのも自分のおこなったことですし、答えを完全否定されたの
も自分の組み立てが悪かったからです(ウ、自分の講義の組み立ては大丈
夫か…は、さておき)。
では、どうすれば知恵の習得力をマスターできるのでしょう? それは、
失敗したときに、その責任を自分で負う(=失敗と向き合う)ことです。
そうした人は、そうしない人に比べて当然に失敗から学べる確立が当然に
高くなります。自分の責任であると考えて今後の改善策・対策を立てて、
再チャレンジするってことが、凡人である私たちの<やるべきこと>だと
いうことですね。そして、これも大学でおこなわれる講義の中で実践して
いる筈です。
さて、皆さんが大学で今、学んでいる全ての講座は、言ってみれば
実社会で役に立つ「賢さ」をトレーニングするものなのだと私は考えます。
学歴的優秀さを否定するわけではありませんが、それと直観的判断力・
知恵の習得力は完全にリンクするわけでもないと、私はそう感じます。
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例えば、合計110円のコーヒーとビスケットがあるとします。コーヒー
はビスケットより100円高いです。では、ビスケットの値段は何円ですか?
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10円でしょうか。違います。ビスケットの値段は5円です。前者の失敗を
してしまうのが「学歴的優秀さ」をもつ人であり、後者の成功を得るのが
「職業的優秀さ」をもつ人なのではないでしょうか。
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