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Daisuke Mitarai

日常生活の中の<法的なもの>について-内容証明郵便

 皆さんに毎日の生活の中で「法的なもの」を感じて欲しいと思い、この企画を

考えてみました。シリーズ化できれば良いなと個人的には願っています。


 今回は、皆さんも定期的に確認しているであろう郵便受・郵便ポストから。


 郵便受・郵便ポストには様々なものが投函されてきますよね?例えば、近所の

お店のチラシ広告だったり、新聞雑誌だったり、自分が通販で注文した商品で

あったりが投函されてきて、ズボラにしていると次の郵便物が入らなくなるぐらい

溜まってしまうという・・・ことはないか(笑)


 さて、そんな郵便物の中で、あまり受け取りたくない郵便に「内容証明郵便」があります。これって何なのでしょう?


 内容証明郵便(内容証明)とは、郵便局の説明によれば、


一般書留郵便物の内容文書について証明するサービスです。
いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって当社が証明する制度です。
当社が証明するものは内容文書の存在であり、文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではありません。
内容文書とは、受取人へ送達する文書をいいます。
謄本とは、内容文書を謄写した書面をいい、差出人および差出郵便局において保管するものです。
また、電子内容証明サービス(e内容証明)では、インターネットで24時間受付を行っています。

とあります。


 要するに、郵便物の内容を記録したい場合に使う方法であり、言い換えれば

<誰に対してもその事実がある>と将来にわたって証明できる証拠を作る方法です。


 この内容証明郵便を受け取ったことのある知り合いや経験談をこれまで何度か

聞いたことが私はあります。皆さん、強い意思を感じて<身構えた>ようです。


 それはそのはず。上記の説明のとおり内容証明とは郵便局が、謄本を使って証明

する手間がかかっているわけですから、差出人の相当の決意がなければ出すことは

ないものだからです。


 例えば、「貸した金を『絶対に』返してもらうぞ」という決意であったり「裁判

所で『もう白黒つけようじゃないですか」という最後通牒的なものであったり、

さらには「お前の顔を見るのも嫌だから連絡は『○○(弁護士)』を通してくれ」

という憎悪・怒り等が「相当の決意」と言えるでしょう。


 とはいえ、個人的に感じる内容証明郵便のもつ「法的なもの」は、消滅時効の完

成を阻止することであろうと思います。


 消滅時効とは、一定の期間に何も行動しなければ、相手に対して自分のもつ請求

権・要求が消えてなくなる法的制度のことです。


 例えば、お金を貸した場合、相手がその一部を返済した日から5年を経過すると

消滅時効が完成すると民法は規定しています。そうすると、5年の間に口頭であれ

メールや手紙であれ相手にお金を返してくださいと伝えたといっても、それが真実

かどうかを証明するには自分以外の誰かに「確かにそうです」と確認してもらう

必要があります。この確認をしてくれるのが内容証明なのです。


 要するに、内容証明郵便を相手に送るということは、消滅時効を完成させません

という相当の決意と共に、私の請求権を法により守ってもらう証拠を獲得する法的

効果が得られるわけですね。


*オマケ

 ついでのお話として、郵便局で内容証明郵便を出す際の流れを紹介しておきます。


1.差出郵便局

 内容証明郵便を出せる郵便局は「集配郵便局および支社が指定した郵便局」に

限られます。そのため、郵便局の窓口で<内容証明>を出せるかどうかを確認

しましょう。


2.利用方法

 差出郵便局の窓口で、以下のものを提出します。

 ・内容文書(相手に送るメッセージ)

 ・内容文書の謄本2通

 ・差出人と受取人の住所氏名を記載した封筒

 ・内容証明の加算料金を含む郵便料金

                         以上

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