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日常生活の中の<法的なもの>について-印鑑の役目

Daisuke Mitarai

更新日:2022年12月1日

 今回は、印鑑すなわちハンコについて考えてみたいと思います。


 ハンコを押す場合に「ここに『契印(けいいん)』をお願いします」「ここに

『割印(わりいん)』をお願いします」と言われることがあります。例えば、賃貸

契約をする場合や雇用契約を交わす場合です。「契印」も「割印」も、どちらも

ハンコを押すことなのですが、なぜ言い方が違うのでしょうか?


 

 まず、契印は2ページ以上にまたがる書類にハンコを押す場合に使う言葉です。

契印を押した書類は紙にまたがった印影を確認することで書類のページが正しく

つながっていることを確認できます。そのため、契印を押すということは、契約

を締結した後に契約書のページの差し替えであったり、あるいは追加されたり、

抜き取られてしまったりするという不正やミスを防ぐ役目があると言われます。


 つまり、契印を押す場合とは、差し替えや抜き取りが行なわれてはいけない

書類のページの連続性を確保するために、ハンコを押す場合と言えます。


 例えば市役所との契約書であったり、不動産登記の申請書、法人登記の申請書

などの場合は、契印がないと正式な書類として認められないことになっています。



 一方、割印は複数の書類が同一であることを示すためにハンコを押す場合に使う

言葉です。例えば賃貸契約書は大家さんと賃借人との間でそれぞれ保管するために

同じものを2部作成します。そして、その2部が同じ内容であることを示し、かつ

不正にどちらかがその内容を作り変えてしまわないように割印をすると言われます。


 つまり、割印を押す場合とは2つの書類が同じ内容のものであることを確保する

ために、ハンコを押す場合であると言えます。



 同じハンコを押すという動作なのに、契印という場合と押印という場合でその

期待する目的効果が違うわけですね。



 そういえば、印鑑(ハンコ)にも大小様々なものがありますね? これってどん

な目的効果の違いがあるのでしょう? 調べてみてはいかがでしょうか。

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