秋季の授業が始まりますね。
春季の成績結果も通知された頃でしょうから、悲喜こもごもがあったと思います。
秋季に挽回しようとしても春季だけ開講されている講座もありますが、今回は「根本的な挽回をする」ためのコツを紹介したいと思います。
もう十数年ぐらいになるでしょうか、現役大学生だけでなく、大学受験生、編入学受験生のほか大学院受験生を教えていて、合格できる人とそうでない人の違いから言えることがあります。
合格できる人は、圧倒的に次の3つの点を学修できています。
言い換えれば、この3つを学修できれば、根本的な挽回をすることが期待できるということですね。
それでは、ご紹介していきたいと思います。
第1に、優先順位の付け方、判断が早いことです。
合格した人は、何の勉強をするにせよ、課題をこなすにせよ、自分がやらなければならないことの優先順位をもっていて、それを遂行していきます。
実は、様々な受験生を見てきた私からすると、最初は優先順位の付け方さえ怪しかった受験生が少しずつ優先順位をつけて取り組めるようになるのを確認できれば、後は本人が質問に来るとき以外は放置してよい受験生に分類していました。それで十分だからです。
細かい話をすると、教科書の読み方でも差が出ます。
この優先順位の付け方、判断が早い人は、教科書第1章を読んでおいてくださいと指示した場合、ざっと読んで「分からない部分」のみマーカーを引くなどして読み終えた後に、「分からない部分」だけを集中して調べる習慣がついています。調べ方は人それぞれで、他の書籍を調べる人もいれば、辞書やネットサーフィンして調べる人もいれば、同級生に聞いて調べる人などでしたが。いずれにせよ、「分かる部分」と「分からない部分」を早めに切り分けて、後者の部分だけに集中するという優先順位の付け方ができていると言えます。
第2に、時間制限を自分で決めていることです。
合格した人は、時間の使い方ができています。これは、時間の使い方が上手であるとよく言われることと同じなのですが、時間の使い方が上手でないことがどういう状態なのかを合格できない人は理解できないようなのです。
時間の使い方が上手であるということは、簡単に言うと、小間切れ時間をフル活用しているというのではなくて、「(自分で)決めた時間内で、何かの課題を終える」という目標を立て、それに取り組む姿勢のことです。10分間なら10分間、1時間なら1時間は、その課題と向き合い、他の事に考えないという姿勢を作ることができれば、それが時間の使い方が上手=できているということなのです。
そうすると、例えば、学校までの電車の移動時間を使って英単語の暗記をするという、ありふれて時間の使い方についても見方が変わりませんか? 大切な点は、移動時間に英単語の暗記をするということではなくて、移動時間の時間内に「どこからどこまでの英単語の暗記をするか」なのです。
これは、仕事でも応用できることです。例えば、小間切れ時間の10分が急にできた際、その時点で自分の抱えている課題を一覧し、その10分を使って出来そうな課題を選んで取り組んでみるといった「できるビジネスマン」になれます。時間が足りないとか、書類に忙殺されるとかという<居酒屋談義あるある>の少なからずのものは、本人の意識を「高い系」にシフトさせればできることが割と多いです。(これは余談ですが、難題を居酒屋談義に持ち込まれると、終電ギリギリになってしまうし、結論が出ないことが割と多いです。)
第3に、これは結果としての果実だと私は感じているのですが、上記の1と2ができるようになると、集中力の高め方を知っています。これが、合格した人のもっている第3のものです。
要するに、合格「できる」人は、(1)優先順位の付け方が自分ででき、(2)時間制限の決め方を自分ででき、(3)集中力の高め方を自分でできる点で、そうでない人と違いがあるだけなのです。
そして、最後に申し添えておきたい事は、誰もが最初から上記3つを持っているわけではないということ。それは少しずつ、1つずつ積み重ねて持つようになるということです。早熟の人は中学受験や高校受験の頃に学修が完了していることでしょうが、大学生になっても学修を完了できていない人も少なくありません。問題は、いつやり始めるのかです。いま!であろうと私は思います。
追補:秋学期担当科目と教室について
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