今日は言葉のお勉強を1つやっておこうと思います。
新年度・新学期が始まり、1カ月余りが過ぎました。そろそろGW休暇が見えてきた頃でしょうか。教員の立場としては、この休暇を満喫して欲しいという思いもありつつ、羽目を外して怪我などして欲しくないという思いもあります。そのため羽目を外さず適当に過ごしてもらうために「課題」を提示する教員もいらっしゃるだろうと思います。このように言う私が、そうなるかもしれません。
さて、この課題・レポートを提示し皆さんが作成するレポートを採点・添削するにあたって、特に法学系のそれらについて気になる部分が年々明らかになっています。それが表題にあるとおり、「適用」と「適応」の違いです。単純な誤入力という場合もあるでしょうし、意識して使い分けている場合もあるでしょう。後者の場合は問題ないのですが、前者の場合は<なぜ、減点されているのか>を知らないまま進むことになりますから、期末試験(そしてその後の法との対話の中)で致命的なものになりかねません。ゆえに、今日のこの勉強をつうじて理解しておいてほしいと思います。
まず、適用という言葉について確認してみましょう。そもそも適用とは、法律や規則などの所謂法令・ルールを基準とし何らかの出来事をそれに当てはめることです。要するに、何か基準となる明確な物事がある場合にのみ適用という言葉を使うことができるわけですが、見方を変えれば、何か基準となる法令・ルールが私たちに指示する形である場合に使うことができると言えます。
次に、適応という言葉について確認してみましょう。そもそも適応とは、その場の状態や条件などに対して最もふさわしい行動を取ることです。また、生物がその置かれる環境に応じて性質や習慣などを変化させていく様子を「適応」と表現する場合もあります。要するに、私たちが置かれた状況に応じて適切に対応する形である場合に使うことができると言えます。
では、両者の違いを理解できたかを確認してみましょう。
以下の文章で、正しくないものは、どれでしょうか?(複数あるかもしれません)
1.大学生活にも、だんだんと適応することが出来てきた。
2.相手の能力に適応した形で仕事を割り振ることが大切である。
3.先日入社したばかりの彼は、仕事を次々とこなしていくので適用能力に優れていると評価された。
4.今回の件は、医療保険に適用されるものである。
5.民法90条すなわち公序良俗規定が適用されるので、公序良俗に反するか否かが論点となる。
6.以下、憲法13条が適応されるかどうかについての法的論理を整理したうえで私見を論じることにする。
いかがでしょうか。簡単すぎましたかもしれません。
正解は、上記の<3>と<6>の用法が正しくありません。
以上、今日は「適用と適応の違い」と題して、両者の違いを説明しました。GW休暇を満喫しつつ、うっかりミスで課題・レポートの減点を回避するように宿題に取り組んでください。
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